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炎ツナコザジョディメェ
リア充おめでとう・・・! 企画参加者(*´ω`*) 朱子・えな・ぐつ子・狭衣・思・空知・タカコ・モイ(50音順敬称略)
嘘をつくな 裏切り者には気付いていた Ⅰ世とは絶対に言わない ジョットの身を案じ駆けつけた たとえこの身が朽ちようとも 一人は嫌だ・・・ オレがいる!!ここにいるぞ!! この声・・・知ってる声・・・ もういいんだ、助けにきた ツナ君も裏切らなかったんだね いいや助ける!!必ず!! オレの誇りは君だよ じっ(ò - ó) (・ω・´) ハイパーコンビ! 僕はもう二度とツナ君を恨んだりはしない ツナ君大丈夫?僕も居るよ!
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すみませ…空気もよまずに文字で混ざってもいいですか(><)
ジャンプがあまりにうおぉおおおお…!
愛コンタクト最高です!最高です!!!見つめあう目と目!大好き!

目と目で通じ合うのってさ…ん、色っぽいよね。
昔のひとがいってた。




頬辺りに横から刺さる赤色の視線に、ツナもさすがに気付いてはいた。
彼の視線は強いし独特だ。鋭いわけでもにらんでるわけでもないのだが、刺さる…という気がする。存在感がありすぎるのだと思う。
目は口ほどに、なんていうけれど、本当にものを言いそうな瞳なのだ。
それが自分に注がれている。じっと。
「絡みつく」と形容すべきような重さと湿度もない。ただじっとこちらを見ている。それが強く意識される。頬がそちらに向かって引っ張られて、ちりちり言うような気がした。彼の能力だけでなく、その視線にも、もしかしたら大地の力が宿るのだろうか。
……いや、そんなわけがない。
ただ、彼はまっすぐ人を見すぎると思う。視線はいつも落としがちなのに、時々妙にやたらと真っ直ぐ、ひとを見る。
世の中学生は…少なくともシャイな日本人は、そうも真っ直ぐ人を見ないものだ。かえって失礼に当たるし相手を居心地悪くさせる。気の弱いツナは特にそうだった。まともに人と視線を合わせることも、以前はほとんどなかった。
でも彼はそうした日本一般の生活を送ってこなかったのか、奇妙にまっすぐ人を見るのだ。じっと。……ツナのことは、とくに。
(うう、さすがにこれはスルーできない…)
悪意や悲嘆は感じない、そのことをせめても自分に言い聞かせながら、ツナはそっと顔を向けて視線を返した。
「あ、あの…エンマ? どうかしたの?」
それでも彼のようにまっすぐ相手の目は見られない。視線をさまよわせるように少し下げて、せめて彼の眉間あたりに目をやった。
それでも、なんだか照れる。
(あんなにまっすぐ視線を向けられる、エンマはすごいな)
「あ、えっと…」
相手の反応は、視線よりもずっとぼんやりしたものだった。
真っ直ぐ向けられていた視線が少し下がって、強かった赤色の視線の周囲、白目の縁あたりがほのかに淡い桜色に染まる。
(あれ?)
照れているのかな、と感じた。気恥ずかしさを覚えたのは自分ばかりと思っていたけれど、そうでもないんだろうか。
「たいしたことじゃ、ないんだけど…」
桜色に揺れる目の縁は、不思議な美しさだった。薄く浮いた膜、盛り上がったまぶたの際。短いが丁寧に並んだまつげが……震えてつぶやく。
「あの……目、でさ」
「う、うん?」
気がつくと自分の方が相手を凝視していたことに気付く。見惚れるように奪われていた意識に、我に返ってほとんど聞いていなかった言葉を、かろうじて拾おうとした。
相手が伏せた目を細める。
「前にね、一緒に戦ってたとき……ツナ君の目を見たら、不思議と何でも分かる気がしてたなって。思って」
「あ、ああ……うん」
その実感は、ツナにも共通のものだった。超直感を通して感じる世界の把握とはまた違う、もっと直接魂が触れ合って音を立てるような、あの時の感覚は……。
「あれ、すごく気持ちよかった」
「え、あ…ああ、うん」
細められた目の輪郭は、桜色を増して蕩けるようだった。どうしてこれを刺すようだと感じたのだろう。そんなものじゃないのに。これは、もっと。…なんていうか。
「だからね」
赤い視線が再びあがって、ツナの顔を正面から捉えた。
真っ直ぐ、ただ強く。じっとツナを見返してくる。
それは先ほど視線を受けて感じていたのと似た、でも少し違う緊張感をツナにもたらした。
心臓が鳴って頬がぴりぴりするような感覚だったが、でも決して不快じゃない。
視線が合っているからだろうか。それを橋に、二人の間に何かの共感が流れわたるような気分。
それは戦っている最中ほどダイレクトではっきりしたものではなかったが、目に、胸に、しみこむようなものだった。
「また……ああいうの、できないかなって、思ったんだ」
それで君を見ていたんだ、って。
彼は、言った。まっすぐツナを見て。
ツナも、彼を真っ直ぐ見た。じっと。
戦闘のときの感覚を思い出した…というより、そうしたかったのだ。
ただ強い彼の視線に、自分が本当に何かを汲み取れるなら、それはとても心躍ることじゃないか。
だからツナも、相手の目を見返した。
1秒、2秒、3秒、4秒、……5秒。
5まで数を数えて、また3秒その場に止まって。
二人は同時に苦笑した。
「ダメだね」
「…うん、わかんないや」
あれはやっぱり、ハイパーモードを発動している上に、戦闘の緊張感にあるかこそ引き出された感覚だったのだろう。
今は、無理。
……変わりに引き出されそうなのは、もっと別の何かであるような…気もしたが。
かれらはそっと逸らした視線の隙間に、その感覚を落として隠した。まだそれに触れるには早い、そんな声が耳元でささやかれてるようだった。
だから彼らはまた苦笑して、
「あれは一時的な、特別なことだったんだ」という結論に達した。
それに笑う。
「でも、まあ。オレは、目で通じなくてもエンマが話してくれるほうがいいよ。こういしたい、とか、こうしてほしい、とか。…そういう話が、聞きたいな」
「そう…?」
彼が低い声でぽそぽそと語るそんな言葉は、快かった。視線が絡む緊張の一瞬と同じくらい。
「それなら僕も、そうかな。僕も聞きたい。ツナ君が何をしたい、とか。こうしてほしい、とか。うん、そういう話…聞きたい」
「そっか、じゃあ同じだ」
「うん、同じだね」
顔を見合わせて、二人はにこっと笑った。
「せーの」と声をそろえて口を開く。
「おなかすいたな」「おなかすいたかな」
………………。
「ぶっ!」「ぷっ」「「あははあはははは!」」
なんだかおかしかった。
緊張していた視線はすっかり笑いに緩んで、二人の間にぽわぽわ漂っている。
「「じゃあ、何か食べに行こうか」」という声も重なったので、彼らはもう一度笑って、手をつないだ。
同じようなことを考えて、それが、目で、言葉で、手のひらで、それともただ流れる空気の間に、伝わる川が。
こんなにも心地よく、心を浮き立たせる。
ただ視線だけで伝わることだけでなくても。間の川に流れるものの温かさが、視線と手のひらを、こんなにも温めるから。

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